スノーホワイト―おとぎ話の代わりに現れたものは


もう先週のことだが、トレーラーを見て気になっていた「スノーホワイト」を、駆け込みで観てきました。

基本的にネタバレなので、楽しみたい人は読まない方がいいです。

ルバート・サンダース監督の「スノーホワイト」(原題:Snow White & the Huntsman 白雪姫と狩人)はディズニーのアニメでおなじみのグリム童話「白雪姫」を現代風に翻案した作品で、「おとぎ話は終わった。」というキャッチコピーとカラスのコスプレをした女王をセンターに据えられたポスターはインパクト満点。

「この夏、世界は初めて出会う。戦う白雪姫と—。」と格好よく煽っていますが、戦うお姫様って今時珍しくもなんともなく、“The Clever Princess”なんか超有名です。白雪姫は初かもしれませんが、そう珍しい題材でもないような……。

友人からトレーラーを「これやばいって!この構成といい間といいどう見ても日本のアニメ」(意訳)と勧められ、それ以来気なってはいたのですが、生来の出不精でぎりぎりの駆け込みとなりました。

序盤は白雪姫の誕生から継母に幽閉され、脱走するまでが走馬灯のように流れていきます。とにかく早いです。カットの切り替えが早いのは現代の映画では常識ですが、シーンの切り替えが早く、唐突です。まるでエヴァンゲリオンの総集編のようです。観たことはないんですが。
継母はエデュアール・ドラクロワのような魔法を使います。吸い取るのは病でなく若さですが。

中盤は逃走した白雪姫が仲間を作るシーン。
呪われた森のシーンがねちっこく続き、序盤で置いて行かれた私のチャンネルがようやく合います。白雪姫はダークファンタジー。森はM:TGの沼のようだし、狩人は飲んだくれて町で殴られているし、町は暗いし、基本的に曇ってるし、何より原作がアレなので間違いありません。
森の出口で怪物に襲われますが、主人公的に回避。「森へお帰り……」

終盤は迫力の戦闘シーン。使用した火薬の量が気になります。
序盤にも出てきましたが、CGで描画された黒い兵隊がとても良い出来です。特に砕かれるカットが素晴らしい。エンドロールも大半がコレでした。

さて、白雪姫といえば7人の小人ですね。仕事中毒の彼らです。
白雪姫と狩人は逃避行の最中に小人と合流するのですが、あのシーンはどうにかならなかったんですかね。
洞窟に案内するまではいいのですが、「聖域」ですか。なるほど、綺麗な森です。
鮮やかな草花に綺麗な虫、グロい可愛らしいキノコ。ほとんどディズニーです。
MT:GをプレイしていたらデッキにLycèeが混ざっていたような感じ。
この辺りで大分いやーな感じが漂い始めます。
とどめは翌朝のシーン。

白雪姫が白い鹿に歓迎される

「彼女は救世主だ!」

追手の矢が鹿を襲う

_人人 人人人人_
突然の鹿の死
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y

洞窟のシーンは小人たちと白雪姫、狩人が結束するのに必要な話なのだとは思いますが、この鹿はなんだったのだろう。
最終決戦で白雪姫が騎乗するのかと思ったのですが、これが最初で最後でした。
といか、この小人たちも要らないんじゃないかと思っているのですが。
彼らのノリはハリウッド映画にありがちの、ギャグ混じりに作戦を進めていくオッサンのそれです。彼らが出てきただけでコミカルに。
ほぼ半分(?)緊迫したシーンを続けたのなら、そのまま押し通した方がよかったのではないでしょうか。中途半端はダメです。

何度も繰り返しましが、戦闘やそれに関係するシーンの出来は素晴らしいです。
戦闘シーン周りで不満なところは、白雪姫の演説シーンを聴く人々の表情が「何言ってんのコイツ」的な感じだったこと、最後の戦闘で小人が出てきたところと、白雪姫vs女王が盛り上がりに欠けたことくらいです。

ああ、あと一番大切な要素を忘れていました。
この白雪姫もキスで目覚めます。誰のキスかはあえて言いませんが。

まとめ

  • 小人邪魔
  • 闇の軍隊格好いい
  • フラグ回収は大切に

最後に

小人のノリがハリウッドのオッサン的だったというのはさっき書きましたが、いっそ本当にそうしてしまうのはどうなんですかね。

おとぎ話と現代が交錯して、お城に海兵隊が攻め込む感じの。

結構面白いと思うんですが。
 

One Comments to “スノーホワイト―おとぎ話の代わりに現れたものは”

  1. ヤヅチスエタ より:

    勧めておいてアレですが、私もあの鹿のシーンはズッコケましたw
    最後の白雪姫VS女王のシーンは、とくに女王のシャーリーズ・セロンの演技がよかったので自分は平気になってしまいました。
    結局このお話は白雪姫と女王は「鏡写しのように」対照的で、そのポジションはほんのわずかなきっかけや積み重ねで、かくも入れ替わってしまうという構図に骨子があって、最後のバトルの〆方が好きなのは、もう少し補足が必要に感じるところを演技力で補完しちゃったところでしょうか。
    いわゆるファンタジーの描き方は、おっしゃるように本来ならば尺が必要なものだと思うのです。テンポ感にスピードが求められる現代では、あの行間を読むようなまったりしたテンポを成立させるには前置詞が必要で、そのあたりのテンポの緩急の付け方はかなり参考になりました。
    最初から魔法はちゃんと描かれるんだけど、とても地味。序盤の描写はかなりリアル路線(呑んだくれや町の描写など)で、それにあわせてかテンポ感、距離感を現代風にしあげている。そこから黒い森をクッションにして描写のテンポを少しずつ変えていき、初めて、巨大な怪物を出す。
     
    リアルとファンタジーの交錯のさせ方は、そのグロテスクな生臭さを共通項、基点にして潜っていく分には成立しやすいけれど、とても重くなってしまう。そこをある程度ライトなエンターテイメント性を残しつつ描こう(小人はそういう意味で端休めの役割かと)となると、今回のスノーホワイトはかなりギリギリなところを果敢に攻めている気がして、なんというかもうそれだけで点数が上乗せされちゃってるのは間違いないですw
    きっと、もうひとつ何か強烈に納得させるピースがあれば、基本コンセプトを崩さずに成立できる道はあると思うんですよね。要所要所はかなりファンになる作りなので、レンタル始まったらもう一度見直してバラしたいところです。

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